「生体向け導電性粘着剤」を開発しました。
生体適用可能な日本メクトロン初の導電性粘着剤
「生体向け導電性粘着剤」を開発
乾燥に強く肌に優しい素材で長時間装用を実現
日本メクトロン株式会社(本社:東京都港区芝大門、代表取締役 社長執行役員:土居 清志、以下「日本メクトロン」)は、大阪大学産業科学研究所の関谷毅教授、荒木徹平准教授のグループとの共同研究開発により(※1)、生体向け導電性粘着剤を日本メクトロンとして、初めて開発しました。
今回新開発した生体向け導電性粘着剤は、生体と親和性の高い粘着樹脂と導電性ポリマーをテープ加工することで生体密着機能と導電機能の両立を実現しました。既に日本メクトロンが量産化している伸縮FPCを用いた脳波測定シートは、生体密着機能と導電機能の実現にそれぞれ異なる部材が必要でした。当粘着剤は一つで両方の機能を有していることから低コスト化が図れるうえ、生体信号計測が貼るだけの手軽な方法で可能となります。
また、当粘着剤は素材に水を使わないため乾燥に強く、生物学的安全性評価(ISO-10993(※2))の基準をクリアした人体に優しい素材で作られており、24時間連続装用が可能です。心電、筋電、脳波など、生体信号計測の用途全般で従来から広く使用されているハイドロゲルシートと同等の導電性を有し、筋肉電気刺激(EMS)の用途でも実用が期待されます。
生体向け導電性粘着剤の特徴
生体密着機能と導電機能の両立
・締め付け器具を必要とせず、取り付け時の負荷低減
・2つの機能の両立により低コスト化に貢献
生物学的安全性評価(ISO-10993)をクリアし、優れたユーザビリティの提供
・装着時の不快感なし
・乾燥による劣化がなく、24時間連続装用が可能
・使い捨てのため衛生的
カスタマイズ可能
・50um以下の薄さで加工しやすく、複雑な形状にも対応
近年トレンドが活発化しているウェアラブルエレクトロニクスでは、通常の生活行動下での生体情報取得のニーズが高まっています。当粘着剤の実用事例として脳波計測に着目すると、世界的な人口増加と高齢化の影響で、2050年にはアルツハイマー型認知症の患者数が約3倍になると言われています(※3)。認知症の患者が示す特徴的な脳波の研究が進んでおり、日本メクトロンとしては、将来的には体温計のように日常的に脳波を計測することで認知症の診断や進行度合いが診断できるようになると予想しています。そのため、安全で取り扱いが手軽な当粘着剤が寄与する場面が増えると考えています。
日本メクトロンは、今後、メディカル、ヘルスケア、介護市場に生体向け導電性粘着剤や当粘着剤を組み込んだ伸縮FPCを広く展開することで、健康寿命の延伸や生活の質(QOL)の向上に貢献してまいります。
※1「国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム(大阪大学拠点)」で実施
※2ISO-10993:医療機器および材料の生体適合性を評価するために使用されている規格
※3国際アルツハイマー病協会(Alzheimer’s Disease International, ADI)「世界アルツハイマー報告書2015」
リリースに関するお問い合わせ
日本メクトロン株式会社 営業本部 営業一部
TEL:03‐5830‐6574 Mail:info-m@mektron.co.jp
■日本メクトロン株式会社
事業内容:電子部品の製造販売
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